こんにちは!MIXFUN!のDJ KOMORIです。
DJを続けていると、誰もが一度はぶつかる壁があります。
「お客さんに合わせるべきか、それとも自分のスタイルを貫くべきか」
これまで1,000回は聞かれたであろうこの問い。今の僕がたどり着いた答えを、いくつかのポイントに分けて整理しておこうと思います。
現場での表現に悩んでいるDJさんにとって、何かのヒントになれば幸いです。
目次
- 「白か黒か」の罠から抜け出す
- お客さんとの共通項を見つけ、「昇華」させる
- 「問い」を持ち続けることに価値がある
- 歴史の巨匠たちも同じ葛藤の中にいた
- あらゆる「プロの仕事」への敬意と感謝
- 人生の奥行きが、仕事の奥行きになる
- まとめ:そもそも「問いの設定」が間違っている
1. 「白か黒か」の罠から抜け出す

「迎合(客に合わせる)」か「独りよがり(自分を貫く)」か。多くの人はこの二つのどちらかに決めようと悩みますが、その間にあるグラデーションにこそ醍醐味があります。
どちらか一方に偏るのではなく、その中間に無限に広がる「答えのない場所」で、自分だけのバランスを見つけること。極端な二択で考えないことが、クリエイターとしての第一歩です。
2. お客さんとの共通項を見つけ、「昇華」させる

プロのDJの仕事とは、単にフロアが欲しがっているものをそのまま投げることではありません。自分とフロアの熱量が重なる「共通項」を見つけ出し、それをより高いステージへと引き上げる(昇華させる)こと。
自分も楽しく、客も熱狂する。その最大公約数を見つけた上で、さらにその先へ連れて行くのがプロフェッショナルの役割です。
3. 「問い」を持ち続けることに価値がある
安易に一つの「正解」に逃げ込んではいけません。思考を止めた瞬間、表現はただの「作業」に成り下がります。
例えば、ヒット曲を機械的に流し続けるのも、逆に客を完全に無視して好きな曲だけかけるのも、プロとしての思考を放棄した「逃げ」でしかありません。
葛藤し、悩み続ける不安定な状態にこそ、クリエイティブの本質があります。その揺れ動くプロセス自体を「創造」と捉え、楽しみ抜く。その自問自答の深さが、フロアでの一瞬の判断に説得力を与えてくれるのです。
4. 歴史の巨匠たちも同じ葛藤の中にいた

ミケランジェロやダ・ヴィンチといった歴史に名を残す巨匠たちも、決して自由に描いていたわけではありません。彼らにはパトロン(支援者)がいて、パトロンの意向を汲みながら筆を執っていました。
例えばミケランジェロは、本心では彫刻家でありたかったのに、教皇から無理やり「システィーナ礼拝堂の天井画」を描くよう命じられました。彼は「自分は画家ではない」と抵抗しましたが、結局はその制約と向き合い、4年の歳月をかけて人類の至宝を作り上げました。
彼らは制約の中で自分を殺したわけではなく、むしろ「求められる仕事」の中でいかに自分の芸術を表現するかに命を懸けたのです。
5. あらゆる「プロの仕事」への敬意と感謝
僕たちがステージに立てるのは、自分一人の力ではありません。会場を整えるスタッフ、音響を支えるエンジニア、細かな事務をこなす人々。そこには、表舞台には出なくても自分の役割を全うするプロフェッショナルたちがいます。
どんなに地味に見える仕事の中にも、創造性と誇りは宿ります。他者の仕事に対する敬意と感謝を忘れないことは、回り回って自分自身の仕事の質を高めてくれます。自分もまた、誰かの期待に応えながら「問い」を立て続けるプロの一員なのだという自負を持つことが大切です。
6. 人生の奥行きが、仕事の奥行きになる

DJとしての表現力を支えるのは、ブースの中での技術だけではありません。
- 触れてきたアートや本、映画
- 見知らぬ土地への旅
- 働く人への日頃の向き合い方
- 誰かとの恋、そして別れ
豊かな人生経験のすべてが、選曲の一曲一曲に深みを与え、仕事の奥行きになります。
まとめ:そもそも「問いの設定」が間違っている
最後になりますが、そもそも「客に合わせるか、自分を貫くか」という二択を自分に突きつけること自体、問いの設定が間違っているのだと僕は思います。
どちらか一方を選んで楽になるのではなく、その両方の間で悩み、揺れ動き続けること。その「葛藤」こそが、単なる作業を「芸術」へと変えてくれる唯一のエネルギーです。
この言葉から逃げずに、向き合い続けてください。葛藤があるからこそ、あなたの表現には血が通い、誰かの心に届くものになります。
安易な答えに逃げず、あなただけのDJの道を切り拓いてほしいと願っています!


